平成29年3月19日(日)札幌社会福祉総合センターにて、「葬送を考える市民の会」主催にて、講座が開かれました。
日本仏教で伝統的に執り行われている「葬儀」には、もともとグリーフケアの機能が備わっています。現在、いろいろな葬送の形がありますが、僧侶が葬儀の過程で遺族の悲しみを、どのようにケアしていくのかを考えてみたいと思います。今回は当別町の寺院の副住職・上川さんに「葬送とグリーフケア」をテーマにお話していただきます。
当日は、30名ほどの参加者の前で、一時間ほどお話しさせていただきました。
最初に、グリーフとは?何かをお話ししました。一般的にグリーフとは、悲嘆と日本語で訳される語句で、死別など、喪失感を持った時の心の動きの事をいいます。その感情は多岐にわたり、悲しみや寂しさだけでなく、安心感や安堵感、怒りなどの感情が出てくる場合もあります。
それは、心の自然な働きなので、強く否定せずに、うまく抱える事をしましょう。そして、そばにいる人が苦しんでいたら、そっと手を差し伸べる事が出来るようになるために、グリーフを学びましょうとの意図でした。
後半は、もともと、日本の伝統的な仏教の供養の中には、グリーフケアのような仕組みがあった事に注目し、その事を話させていただきました。
葬送の会、代表 澤知里さんは、実際に関わった葬儀の事例を報告してくれました。
どれも、興味深い内容でしたが、特に、亡くなった故人のご家族が家族葬を選ばれた時、その友人たちが、通夜の時刻に居酒屋に集まり、お別れ会を開いて故人を偲ぶ事をされていた話にぐっときました。
当日の講演には、北海道新聞の記者が来られ、記事にしていただきました。